(501)
距離・区域
本標識が適用される、一次元的な長さの範囲や二次元的な領域の範囲を指定しています。
「距離」の「この先○○m」は、標識設置地点から○○m進んだ距離に対象があります。
指示標識の「規制予告」を簡略化したようなものなので、公安委員会設置の規制を目的とした予告では主にそちらが設置されます。
よって、こちらは道路管理者設置の「○○制限」や警戒標識の補助として設置されるのが普通です。
同じく「距離」の「ここから○○m」は、標識設置地点を起点として○○m進んだ距離までが適用範囲となります。
ごく短い区間で「始まり」「終わり」を設置するのがまどろっこしい場合、これで合理的に済ませるのが一般的です。
都内ではタクシー乗り場での駐車禁止の除外で多用されています。又、関東では群馬県を中心に、一方通行入口でその長さを示すべく設置されています。
「区域」の「○○全域」は後述の「区域内」ど同様、二次元的な面積の中に存在するすべての道路が対象です。
デフォルトの「市内全域」は関西の一部の都市で見られますが、関東では皆無のようで、ニュータウンや団地や丁目といった範囲が一般的です。
(502)
日・時間
本標識の規制が適用される日(主に曜日)や時間帯を指定しています。
これが設置されていない本標識は、もちろん24時間年中無休で適用されることになります。
「日」は通勤通学や沿道のイベント(祭事等)に合わせた規制が一般的のため、土・日・休日とそれ以外の平日とで大まかに分類されるのが普通です。
「時間」は「駐停車禁止」「駐車禁止」「時間制限駐車区間」ではこれを設置せず、代わりにその本標識の外周に規制時間を標記するのが普通です(例外もあります)。
規制内容はこれと同じです。
具体的な規制時間ですが、短くて1時間程度で、朝の通学時間帯(概ね7:30-8:30)や昼休み時(12-13)が多いです。
最長は「終日」ですが、「0-24」という標記もあります。時間の指定が無い場合には自動的に「終日」となるので本来は無用ですが、特に強調する必要がある場合には設置されるようです。
規制時間が24時をまたいで日付が変わる場合、地域によっては終了時間に「翌」が付加されています。付加されていない地域もあるので標記に統一性はありませんが、内容は同じです。具体例では「20-翌8」「20-8」のような標記となります。
日付の変わり目となる午前0時が規制開始時間の場合は「0-××」、規制終了時間の場合は「××-24」となります。
(503-A)
車両の種類(A)
規制対象となる車種を文字で標記しています。
法令で定められた略称は以下の通りです。
「大型」「大型等」「中型」「特定中型」「普通」「大特」「自二輪」「軽」「小特」「原付」「二輪」「自転車」「トロリー」
「乗用」「大乗」「中乗」「特定中乗」「バス」「大型バス」「マイクロ」「路線バス」「普乗」「タクシー」
「貨物」「大貨」「大貨等」「中貨」「特定中貨」「普貨」「けん引」「標章車」
その他、略称でないものや特殊な標記として以下の例がありますが、数が多過ぎて全部把握し切れないので悪しからず。
「軽車両」「三輪」「ミニカー」
「☆用車両(☆=農耕、作業、管理、工事…)」「○○(=沿道施設)関係車両」「空車タクシー」「ハイヤー」「観光バス」「人力車」「排気量○○CC以下」
デフォルトの「大貨」ですが、中型区分が登場して以来、トラックマークは大貨・大特・特定中貨まで含める規制となったため、
現在は「大貨」単独では激レアと化しています。大特が対象外の道路はありますが、それでも「大貨・特定中貨」が精一杯です。
デフォルトの「原付を除く」は「一方通行」や「二輪自動車原動機付自転車通行止め」の補助となり得ます。
とはいえ、前者は普通自転車まで含めておらず、後者は125cc以下が除外対象となりやすいので、かなりレアです。
(503-B)
車両の種類(B)
規制対象となる車種を絵柄で標示しています。
いずれも規制が適用される道路の交差点で「指定方向外進行禁止」の補助として設置されるのが一般的ですが、自動車マークは地域によって「車両進入禁止」の補助としても使われています。
一般的にはトラック・バスですが、二輪以外の自動車・二輪原付が多用されている地域もあります。自転車と軽車両はほとんど見られないようです。
(A)の文字標記よりは視覚的に分かりやすいですが、ハイヤー・タクシー・路線バス・大特…といった特定の車種までは標示できないので、この標示方法では大雑把な車種全般に限られてしまいます。
通常は本標識と同じで図柄は右向きですが、右折路が規制対象となる交差点では、鏡像となる左向きが設置されることがあります。
しかしながら、直進方向のみの「指定方向外進行禁止」に設置される場合には、交差点の形状に関わらずデフォルトの右向きが設置されるようです。
デフォルトの"トラック図柄"は、規制標識「大型貨物自動車等通行止め」の規制対象となる車種に一致します。
具体的には「大貨・大特・特定中貨」ですが、「大貨等」の略称も同じ意味です。
本標識が全国どこにでもあるため、こちらもまたどこでも見られるようです。
デフォルトの"バス図柄"は、規制標識「大型乗用自動車等通行止め」の規制対象となる車種に一致します。具体的には「大乗」「特定中乗」です。
本標識はトラックとの組合せならば全国どこにでもあれど、バス単独となるとレアなため、こちらは本標識以上にレア度が高いです。
(503-C)
車両の種類(C)
規制標識「特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め」の補助に相当する標識です。
(B)の"トラック図柄"が最大積載量5t以上の特定中貨を規制するのに対して、こちらは最大積載量5t未満の普貨・中貨を規制対象とします。
数値は0.5t刻みのため、標示上は4.5tまでとなります。
通常は規制が適用される道路の交差点で「指定方向外進行禁止」の補助として設置されます。
デフォルトの「積3t」は、関東では東京を中心としてごく当たり前に見られます。板の縦横比もこれが標準ですが、大阪では小さめのようです。
(503-D)
車両の種類(D)
「標章車(高齢運転者等標章自動車)」に限った補助標識です。
本標識として、指示標識「駐車可」「停車可」の他、規制標識「時間制限駐車区間」に付きます。
(503の2)
遠隔操作型小型車
遠隔操作型小型車(遠隔小型)を対象とした補助標識です。
自動配送サービス実現のため、低速・小型の自動配送ロボットの通行可否を規制するために定められました。
通行(操作)には都道府県公安委員会への届け出が必要なので、配送業界の関係者でなければとりあえず気にすることもないかも…。
通行可能な場所は歩行者と同じで、原則として歩行者の交通ルールに従いますが、歩行者と遠隔小型の通行を区別する必要のある道路では、この標識が用いられることになります。
(504)
駐車余地
規制標識「駐車余地」に付く補助標識です。
「駐車禁止」の規制が無い道路であっても、駐車車両の右側に3.5m以上の余地が確保できなければ路上駐車はできません。
この標識は、その3.5mという数値を強制的に変更する必要がある場合に設置されます。
デフォルトは6mですが、設置情報は皆無です。この画像の場所では2.5m以上の余地を確保できなければ駐車できません。
(504の2)
駐車時間制限
パーキングメーター又はパーキングチケットに表示された時刻まで、駐車することができます。
法令では「パーキングメーター表示時刻まで」「パーキングチケット表示時刻まで」の2種類の標記が定められています。
新しい標識のせいか、設置情報は未だありません。公安委員会の関係者さえ存在を知らないままのような…!?
(505-A)
始まり(A)
本標識の適用区間の始まりを矢印による図形で示しています。
「←」(終わり)とは鏡像すなわち左右正反対の矢印なので、免許取得時に矢印の向きを覚えるのは苦労するものです。
「→」(始まり)は矢印が道路の内側へ向いています。本標識が"内へやって来る"…と覚えるとよいかも…。
(逆に「終わり」は、"道路の外側へ出て行く"ように向いています。)
(505-B)
始まり(B)
本標識の適用区間の始まりを文字標記「ここから」で示しています。
「始まり」(A)と意味は同じですが、矢印の向きを混同しやすいため、設置条件によっては誤認を招くおそれがあります。
一方、こちらは確実に始まりであることを認識できるため、地域によってはこちらの方が多用されています。
(505-C)
始まり(C)
本標識の適用範囲が二次元的な「区域」全体であることを示した上で、その範囲内へ入る境界を「ここから」で示しています。
地域によっては、「ここから」の代わりに「→」の図形で始まりを示しています。
その場合は一体型でなく、本標識と補助標識とが分離されたスタイルとなるのが一般的です。
大抵の場所で本標識は規制標識「最高速度」単独か「駐車禁止」とのお団子で、一体型の板で合理的に設置されています。
その場合、一体型の板の中に標示されている本標識が複数ある場合には、まとめて始まりとなります。
「区域 ここから」の補助標識が分離独立したスタイルの設置はほとんど見られません。
(506)
区間内
本標識が適用されている区間の途中であることを示しています。
一次元的な特定の道路に限定して設置されます。
「⇔」はかつて「最高速度」「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」「駐車禁止」の補助でいくらでも見られましたが、
簡略化で交換と共に減っています。
とはいえ、上記以外の「転回禁止」「車両横断禁止」等の補助では今でも設置されるようです。又、簡略化後も特に必要な場合には設置されることもあります。
(506の2)
区域内
本標識が適用されている区域の中に居ることを示しています。
本標識の適用範囲は、二次元的な特定の領域内に存在するすべての道路です。
一般的に「ゾーン規制」と称される方式の規制で、最近では全国で積極的に採用されています。
デフォルトの「区域内」は関東近県では群馬や静岡で多く見られますが、ゾーン規制では始点・終点のみ合理的に設置されることが多いので、
区域内の設置は一部地域を除いてあまり見られません。
(507-A)
終わり(A)
本標識の適用区間の終わりを矢印による図形で示しています。
「(505-A)始まり(A)」と対極をなす存在の標識です。同じ場所の両方向の道端に、互いにそっぽを向いて設置されることも多いです。
「(→)始まり」とは鏡像すなわち左右正反対の矢印なので、そちらと同時に覚えるのがよいでしょう。
「←(終わり)」は矢印が道路の外側へ向いています。本標識が"外へ飛んで行って消えてしまう"…というわけです。
(507-B)
終わり(B)
本標識の適用区間の終わりを文字標記「ここまで」で示しています。
「(505-B)始まり(B)」と対極をなす存在の標識です。やはり同じ場所の両方向の道端に多く見られます。
「終わり」(A)と意味は同じですが、矢印の向きを混同しやすいため、設置条件によっては誤認を招くおそれがあります。
一方、こちらは確実に終わりであることを認識できるため、地域によってはこちらの方が多用されています。
(507-C)
終わり(C)
この標識の下に直列している本標識の適用区間をまとめて終わりにします。
本標識は1個だけでも適用されますが、お団子になっている限り何個でもまとめて終わりとなります。
「終わり」(A)(B)に比べると(C)は頭に1個付けるだけで合理的にまとめて終わりにできるし、視認性も高いことから、
本標識が1個だけでも地域に関係無く多用されています。
(507-D)
終わり(D)
本標識の適用範囲が二次元的な「区域」全体である場合、その範囲外となる出口を「ここまで」で示しています。
地域によっては、「ここまで」の代わりに「←」の図形で終わりを示しています。
その場合は一体型でなく、本標識と補助標識とが分離されたスタイルとなるのが一般的です。
要するに「始まり」(C)と対極をなす存在の標識で、以下の解説もほぼ同じです。だけどあちらがCでこちらがDというのは少々ややこしいかも…!?
両者は規制区間の境界(多くが交差点)の道端で互いに逆方向を向いていて、いずれも一体型の板で合理的に設置されているのが一般的です。
一体型の板の中に標示されている本標識が複数ある場合には、まとめて終わりとなります。
「区域 ここまで」の補助標識が分離独立したスタイルの設置はほとんど見られません。
(508)
通学路
警戒標識「学校・幼稚園・保育所等あり」の補助として設置されます。
法令上は、児童や幼児がこれらの場所へ通う道路で、これらの出入口から1km以内に本標識を設置する場合、この補助標識を付加するものとしています。
都内にはデフォルトが多いですが、自治体によりまちまちのようで、標記には「スクールゾーン」や、学校名がそのまま書いてあったりもします。
又、本標識でさえもこれを使わずに、オリジナル標識を用意している自治体もあります。
(508の2)
追越し禁止
規制標識「追越し禁止」の補助標識の部分です。
道路の構造に関わらず、車両の追越しはNGです。
補助標識で車種を指定しない限りすべての車両が追越しNGなため、自転車やリアカーがノロノロ走っていたら止まって譲ってもらうしかありません。
よって、自転車の通行がそれなりにある生活道路では、現在は多くが撤去されてしまいました。
東京近郊ではほとんど見られませんが、都心部の首都高速のトンネル入口に設置されています。
常設ではレア物に属しますが、高速道路の工事による通行規制で臨時に見られることは多いです。
「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」と同様、「区間内」は省略されることが多いようです。
地域によって「追越禁止」の標記もあるようです。
(509)
前方優先道路
規制標識「前方優先道路」の補助標識の部分です。
標識の前方で、合流又は交差する道路を通行する車両の進路を妨げてはいけません。
尚、本標識が「一時停止」でない場合には、安全が確認できる限り一時停止の義務はありません。
かつては規制標識「前方優先道路・一時停止」の補助としても使われてましたが、現在は廃止されています。
関東はもちろん、全国的にもほとんど見られない激レアです。優先道路の詳細は
指示標識「優先道路」を参照して下さい。
(509の2)
踏切注意
ほぼ例外無く、警戒標識「踏切あり」の補助として設置されます。
踏切では一時停止が義務なので減速が必要となるものの、信号制御の踏切で青信号ならば一時停止の義務はありません。
本標識と同じ意味なので、自治体によっては完全に省略されています。幹線道路やオーバーハングほど律儀に設置されていることが多いようです。
(509の3)
横風注意
ほぼ例外無く、警戒標識「横風注意」の補助として設置されます。
正式名称が完全に本標識と一致しているので、より一層警戒させるような感じ…?
一般道では省略されることもありますが、高速道路では律儀に設置されていることが多いです。
(509の4)
動物注意
ほぼ例外無く、警戒標識「動物が飛び出すおそれあり」の補助として設置されます。
全国各地で様々な動物が標識に出演しています。それが動物であることを明確にするため、
本標識と意味が同じであっても、省略することなく律儀に設置されるようです。
場所によっては特定の動物名が標記されることもありますが、法令で「動物注意」は例示とされていないことから、それらは補助標識「注意事項」に属するようです。
(509の5)
注意
とにかく"何らかの危険事項に注意して通行せよ"ということで、通常は警戒標識の補助として設置されます。
設置基準が曖昧ですが、事故が起きやすい場所に設置される傾向があるため、交差点やカーブの本標識に付くことが多いようです。
地域によっても設置に偏りがあります。
(510)
注意事項
警戒標識の補助として、特に何らかの注意を促す必要がある場合、具体的な事項を標記しています。
デフォルトの「路肩弱し」の設置条件としては、山間部の切り立った崖に沿って通る道路や、平野部の地盤が軟弱な田畑や河川に沿った道路です。
しかしながら、林道や農道を中心に、道路管理者がオリジナルで標示板を用意することが多く、正規の補助標識としてはレアなようです。
デフォルトの「安全速度」は急なカーブや坂道によく設置されますが、地域によっては全く見られません。関東ではレアです。
補助標識ではあるものの、本標識を設置することなく、区間を設けてこれ自体が本標識と化しているような設置もあります。
(511)
方向
主に案内標識「国道番号」「都道府県道番号」の補助として設置され、交差点でその道路の形状や進行方向を指し示しています。
規制標識「○○制限」等の補助として、交差点で本標識が適用される方向を指し示すべく設置される場合もあります。
通常は交差点に設置されるため、矢印の形状の多くは縦横の直角方向が主体です。
デフォルトの右上矢印はY形交差点に設置されやすいものであり、分岐路がいずれも同じような道幅で誤認を招くおそれが無いと設置されないことから、やはりレア物です。
(512)
地名
主に案内標識「国道番号」「都道府県道番号」「道路の通称名」の補助として設置され、その地点の住所を示しています。
全国都道府県道標識の風景で47都道府県道の標識が参照できますが、自治体により、個性的なスタイルとなっています。
デフォルトの書式は、関東では群馬県と神奈川県の幹線道路で採用されています。
「都道府県道番号」の補助の場合、路線名(県道A-B線)が併記されることが多いです。
デフォルトの「小諸市本町」は住所として実在しますが、残念ながら標識はありません。この地域のスタイルはオリジナルのものです。
(513)
始点
案内標識「国道番号」「○○限度緩和指定道路」等の補助として設置され、その本標識の区間の始まりであることを示しています。
「始まり」が通常規制標識と指示標識に設置されるのに対して、案内標識ではこちらが設置されます。
かつて「○○限度緩和指定道路」の標識は存在しなかったので激レアに属する標識でしたが、今では全国的にこの指定道路の端まで行けば見つかる程度です。
とはいえ、東京近郊ではこの本標識自体がなかなか見つかりません。
(514)
終点
案内標識「国道番号」「○○限度緩和指定道路」等の補助として設置され、その本標識の区間の終わりであることを示しています。
「終わり」が通常規制標識と指示標識に設置されるのに対して、案内標識ではこちらが設置されます。
「○○限度緩和指定道路」の終点まで行けば見つかるはずですが、東京近郊では「始点」と同様にレアです。
幹線道路の末端では、「始点」よりもこちらの方が設置されやすいかもしれません。