交差点における停止線直前の条件 | 車両通行帯(レーン数)が0~2 | 車両通行帯(レーン数)が3以上 |
特に指示の無い交差点 |
小回り右折が義務付け 最もセンターラインに近いレーンに入り、センターラインに寄って交差点中央を通って右折。 |
ニ段階右折が義務付け |
標識により、特に指示されている場合 (指示が無い場合と逆になる。) |
←が設置されている場合、二段階右折となる。 |
←が設置されている場合、小回り右折となる。 |
早い話、交差点におけるレーンの数が2以下か3以上かで右折方法が異なる。間違えやすいのは、片側2車線道路(上下
4車線道路)があったとして、交差点だけ右折専用レーンが設置されて一時的に3車線になっている場合。この場合は常に
交差点における規定のため、3車線という扱いとなる。よって指示が無ければ二段階右折、小回り標識があれば小回り右折となる。
「交差点による規定」と書いたが、厳密には「信号機等による交通整理によって停止すべき場所、すなわち停止線の直前の状態」と言うべきであろう。
上に書いた規定により、二段階標識が設置される条件は通常は「レーン数0~2の交差点で、且つ、二段階右折を特に指示する必要が
ある場合」となる。
レーン数0~2の交差点…。ごく一般的なレーンの無い道路(センターラインの無い道路)や片側1車線道路、通常片側1車線で
交差点で一時的に右折レーンが設置されている場合では、よっぽど対向車線の交通量が激しくも無い限り特に二段階を強要する必要は無いであろう。となると、二段階標識が設置される
となると「通常片側2車線で、交差点においても右折専用レーンが無い場合(2車線のまま交差点突入)」。例外でも無い限り、この条件しか考えられない。
右の写真は、それに該当する交差点の道路標示である。こういう構造の交差点は、右折専用レーンを設置するための十分な土地が
確保できない場合に”仕方なく”設置される。そもそも片側2車線道路はそれなりに交通量が多くなることを想定して設計されるわけだが、
この構造の場合、右折車が1台でも居ると第2通行帯(センターライン寄り)を直進する車の通行の妨げになり、渋滞を引き起こす
だけでなく、追突事故の危険性も右折専用レーンがある交差点と比べて遥かに高い。ここで原付が小回り右折で待機するとなると
……直進車がバンバン飛ばす中で、原付を運転する身になって考えればその恐怖が分かるであろう。時が流れればやがては消える方向にある構造上、
土地が確保できないなどの特別な事情がない限りは今後増えることはないはずである。従って二段階標識の未来も暗いだろう……。
ところが、全国的な目撃情報によれば片側3車線以上の交差点でも二段階標識が設置されている場合があるという。この場合、道交法では二段階標識が あろうと無かろうと関係なく二段階右折が義務付けられているはずなのだか、それでも設置されているわけである。普通に推測した場合は「直前まで 3車線以上に気付かないような構造の交差点で注意を促すため」というのが現実的であろう。もしも後方からはっきり3車線以上と分かっているならば、 「そこで小回り右折をする原付が後を絶たないために設置」となると完全に意図的な道交法違反、率直に言えば犯罪の防止という理由での設置となってしまう。 万一事故が発生したところで、「地域住民の気質やモラル」というしょうもない理由では救いようがない。
サイト開設当時なかなか見付けられない中、最初に画像と共に情報を頂いたのが「目的地までが目的地」のさとし様からであった。
情報によれば、茨城県北部に在住するさとし様は車で移動中によく見るとのことである。左の写真は茨城県常陸大宮市付近の
R118を撮影したようである。サイトを閲覧させて頂いたところ、明らかにこの付近のR118は上の条件に一致していた。第2通行帯
の道路表示には「追突注意」の文字が書かれているのがはっきり分かる。
更にサイト内に掲載されている大量の画像を閲覧したところでは、場所によっては3車線と思われる交差点に設置されているものも見受けられた。
周辺の環境までは確認できないが、正当な場所に多数設置されていることもあって”ついでの設置”といった感じなのだろうか?
その後の調査や実際の捜索により、茨城県~福島県にかけては割と普通に設置されていることが判明している。
茨城県では北部限定と思われたが、南部の牛久市でもR408とR6の交点で設置を確認済みである。
左から、茨城県筑西市、茨城県水戸市・水戸駅前、福島県郡山市・郡山駅近く。
3車線以上であればその時点で2段階右折は義務付けられるため、本標識の設置は元来不要である。ところが 自治体によりそれが一般に守られてせいか(?)あえて標示板により2段階右折を指示している。
かくして、このような交差点が誕生したわけである。二段階の規制理由は清掃車の出入りに伴う危険防止であろうが、 停止線手前が用地の問題で2車線しか確保できないということが重なり、やむを得ずニ段階標識の設置となったと 言えよう。大変珍しい条件が重なった結果がもたらした奇跡である。2車線道路での正当な設置だけに余計に萌えるのであった……!?
画像と目撃情報はけみ様提供(平成18年2月5日に管理人巡礼済み)。場所は東京都品川区南大井1丁目交差点。 大井競馬場方面から延びる道路「競馬場通り」が京浜急行の高架をくぐった直後、R15にぶつかる交差点に設置されている。
まずは交差点の100m手前にて。ここでは2車線、一見すると交差点まで2車線であろうと錯覚してしまうため、普通ならば原付は小回り右折の準備をするために右車線に入るはずである。だが、丁寧に規制予告があるため右折するためには左車線を通行するしかない。
高架をくぐった直後に突如3車線が現れるが、もしも標識が無ければここで気付いて左車線に入ろうとしても手遅れではないだろうか?
かくして規制予告通りに”奴”が居る。標識の性質上ここにもたった1個しかない。
見たところでは左車線は左折専用のレーンであるが、原付はたとえ右折するにも左に寄らなければならない。小回り標識が無い限りそれが法律なのである。
(この2枚は管理人撮影)