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優先道路


優先道路 道路標識写真
群馬県前橋市総社町
 交差点での単発的な設置が多い中で、法令に則した一定の区間に及んで設置されている貴重な道路であった。
2012.05

▼続く▼


特別企画
指示標識「優先道路」は
教習とは裏腹に……!?

 指示標識「優先道路」は
運転免許取得時には結構試験問題で出されたりするものだが、
実際設置されているものを見たことがある人は国民平均でごく少数だろう。
 それもそのはず、今までに設置が確認されている地域は、
このページで掲載されている自治体でほぼ出尽くしている。
 他にもわずかに目撃情報はあるが未確認。いずれにせよ、
東京・名古屋・大阪といった大都市圏の情報は皆無である。


青森県青森市


アプローチ

・自動車の場合
 東北自動車道の青森ICと青森自動車道の青森中央ICのほぼ中間。

・鉄道の場合(平成26年7月現在)
 JR青森駅東口からも路線バスは出ているが、青森市街のバス路線の要所である「古川」(駅東口から徒歩約10分のR7古川交差点近く)の方が本数は多い。
 ここの1番乗り場より、「浪館」「安田近野」方面へ行く市営バスで「上安田」下車、徒歩約5分。バスの運行情報は青森市のHPを参照されたし。

設置場所

 青森市細越、R7青森バイパスとr44が交差する安田交差点より100mほど西へ向かった場所。青森自動車道高架下の三差路に設置されている。
 R7に沿って、交差点の直前に「始まり」、直後に「終わり」の計2個。突き当たりの道路には、今は廃止された「前方優先道路・一時停止」がそのまま残されている。



宮城県仙台市青葉区

 旗男様より画像・情報提供。 補助標識は「始まり」だが、これ1個しか無いらしい。
色褪せ具合からしてどうにも冷遇されているような印象を受けるが…どこも似たようなものである。

平成27年7月31日巡礼



アプローチ

 仙台駅西口から青葉通りを西へ突き進み、広瀬川を渡った先にある。
 仙台市営バス「博物館・国際センター前」バス停から坂を少し上ったところ。又は地下鉄東西線の国際センター駅から徒歩。

設置場所

 仙台市博物館前で三角形に道路が合流する箇所、右方向からの合流に1個だけ標識が設置されている。
 尚、左方向からの合流は「一時停止」が設置されているが、「前方優先道路」の補助標識は無い。


宮城県遠田郡美里町




2017.01
 美里町和多のr152とr150が分岐する三差路。
r152側は交差点でカーブする線形となっていて、
両方向の交差点の前後に「優先道路」の始まりと終わりが設置されている。
交差点に突き当たるr150には、旧規制標識「前方優先道路・一時停止」が残存し、路面標示もある。


石川県金沢市周辺

石川県金沢市 R8金沢東IC付近
2013.06
石川県白山市 r8
2014.10
 金沢市やその近郊にかけての幹線道路には区間を設けて大量に設置されていて、
全国的には超局地的にレア度が低い。
この他、規制標識「前方優先道路」も存在する。


群馬県前橋市

現在は撤去された模様

 三井雄生様より群馬県前橋市総社町に生存する「優先道路」の画像を
御投稿頂いたのは平成16年のことであった。
 投稿メールの文には「この看板が珍しいかどうかの判断は難しいところでありますが
そうそう良く見るものでもないと思われます。」
…と書いておられたが、この標識は今も尚
「"通"の間でも珍重されている大変レアな標識」なのである。

平成19年4月1日、
平成24年5月14日巡礼時の様子

アプローチ

 関越自動車道の前橋ICからR17を前橋市街へ。NHK前から産業道路へ入り、前橋警察署を過ぎた先の信号が起点。
 又は駒寄PA併設のスマートIC(普通車のみ利用可)からr161を上毛大橋方面へ向かい、大松交差点より産業道路(r15)を南下すれば、前橋警察署手前の信号が起点。


 ここに設置されている「優先道路」7個、「前方優先道路・一時停止」7個を完全公開(クリック拡大)
 東端には「始まり」「終わり」が無く、尻切れトンボで終わっている。
 規制標識「前方優先道路・一時停止」は法令で既に廃止されたが、二度の巡礼を比較して計14個の標識はほとんど変わっていなかった。

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7

ところでこの道路、
途中で線路を横切ってるんですけど…?

はい、電車が来ればやっぱりこうなるのね…_| ̄|○




そもそも
「優先道路」がレアなわけ

(道路交通法第36条-2)「車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が

(※1)優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及 び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等によ る中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)

である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又は

(※2)その通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるとき

は、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。」

 法律上「優先道路」とはすなわち(※1)で定義された道路である。「優先道路」の標識があれば絶対条件、 標識が無い場合は早い話が「センターラインや右左折等のレーンがある道路」ということで、(※2)はもはや「常識的見解で判断してくれ~!!」というような かなり投げやり?な記述である。

 率直に考えれば「一見してもどっちが優先道路なのか分からないような道路同士の交差点で信号機がなかったらどーなるんじゃ~!!」という ような場所が設置対象ということになる。ちなみにその場合、標識が無い交差点では道路交通法第36条-1により、「運転手から見て左の方に居る車両が優先する」のが正解。 運転免許を持ってない人は覚えておくとよい。

 そこまで法律で決まっているのならば「優先道路」の標識自体必要ないのではないか???という感じである。それがほとんどの公安委員会の考えであろう。 では何故あえて標識を設置してまで「ここは優先道路じゃ~!道を開けんかいボケ!!」と主張しているのか? おおかた「信号機を設置することもない幹線道路なんだけど、 横に枝分かれしている道路も同規模なもんだからあえて差別化して円滑に通行させよう」という理由ではなかろうか?

 かくして、法律上あってもなくてもそれなりに事故も違反も起きない?せいで多くの公安委員会では無視されているが、 ごく一部の地域では公安委員会のきめ細かな配慮により設置され、交通の円滑化に貢献しているわけである。尚、場所により「区間内」の 補助があったりなかったりしているが、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」では、「優先道路」の設置場所として 「指定する道路の区間の前面、及び道路の区間内の必要な地点における左側の路端」とされている。すなわち「最高速度」等と同じで ピンポイントではなく区間を設けて設置するようになっている。
 したがって↓のような交差点にピンポイントで設置されている場合は「区間の前面」に設置されてはいないので……? ただでさえ貴重なのでそこまでは突っ込まないことにしよう。場所は茨城県稲敷市(旧新利根町)太田、龍ヶ崎潮来線(r5)沿いにある バス停「太田谷中」と「工業団地前」の間の道路を新利根川に向かって南下するとある。(画像奥の防風林に沿ってr5が通っている)






「前方優先道路」

 一方、道を開けなければならない側には
「前方優先道路」という標識や道路標示で指示することになるが、
「優先道路」がレアモノである以上はこちらもやっぱりレアである。
 石川と茨城では「優先道路」とセットで設置されている。さすが公安委員会に抜け目が無い。


 「前方優先道路」を指示する路面標示は偶然にも当地(埼玉県所沢市)の市道で見られるのだが、
埼玉の他地域ではほとんど見られない。
標識はありきたりの補助無し「一時停止」である。
路面標示は標識の無い地域でも少しばかり多めにあるらしい。


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